他人の文章に救われる

まさかこの年齢になって新たな習慣ができるとは思ってもいなかった。数年前に書いたブログ記事をあらためて読んでも、このころは1,2日休肝日をつくるだけで得意になっていた。ちょっと恥ずかしい。

それが今年の5月に入ってから、平日は飲まない習慣が少しずつできあがりつつある。もちろん、締め切りの厳しい仕事が終わったあとは、お祝いだからと缶ビールをあけたり、月末にはやはり缶ビールをあけて、「今月のふりかえり」と称してひとり反省会を開催したり。それでも月曜日になると、「今週も頑張ろう」と立ち上がれる自分に正直感動している。

100日間禁酒して101日目に飲んでしまったから、もう自分はダメだと絶望して、また飲酒生活に戻るのではなく、6日目に飲んでしまっても、また7日目から復活して、2日でも3日でも禁酒日をつくれる人間のほうが本当の意味で強いと、つくづく感じる。

今日は日曜日だから本当は飲んでいいのだが、やめておく。午前中に仕事をすませ、午後からはおいしい食べ物をおいしく料理して味わい、おいしい小説をクリアな頭で楽しもう。ビールといっしょに食べるから料理がおいしいというのはまったくの幻想だ。しかし三十年近くその幻想と生きてきた人間は、幻想に洗脳されてしまったも同然で、頑なな思いこみを崩すことが難しい。

そんな思いこみを覆してくれたのが、最近よく覗いている禁酒ブログだ。禁酒をすることで、人生がいい方向へ激変した人たちの文章を読むのは何より力になり、今回の習慣化に一番役立った。だからこそ、ときに負けそうになっているブログ主の苦悩を読むと、なんとかして応援できないものかと思う。しかし言葉で「頑張れ」というのはちょっと違う気がする。それよりは、自分が彼らから教えてもらった、「飲まなかった翌朝のすがすがしさ」を一日でも多く体験して、その快適さを自分のブログに綴るのがいいような気がして、ふたたび書きはじめた次第である。